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口頭

JRR-3のC2冷中性子導管の輸送効率向上のための輸送計算

田村 格良; 金子 耕士; 山内 宏樹; 脇本 秀一

no journal, , 

JRR-3の冷中性子ビームはC1, C2およびC3の3本の中性子導管によって供給されている。平成15年度にビーム分岐装置を設置することでC2冷中性子導管はビームポートを増加し、マシンタイム増加に大きく貢献している。一方で、C2冷中性子導管はC1およびC3冷中性子導管と比較して長い中性子導管であり、ビームポートもC2-1, C2-2, C2-3-1, C2-3-2, C2-3-3と5つあり、中性子鏡管ユニットのスーパーミラー化については、費用及び工期によって様々なパターンが考えられる。そこで、小型分岐装置を含んだC2冷中性子導管の高度化のパターンについてMcStasを使用した輸送計算を実施した。様々な高度化パターン計算の結果、3Qcのスーパーミラー鏡管ユニットに置き換えることでC2-1ビームポートでは最大4.7倍、C2-2ビームポートでは最大3.8倍の利得が得られることを明らかにした。同様にC2-3-1ビームポートは最大2.6倍、C2-3-2ビームポートは最大2倍、C2-3-3ビームポートも最大2倍となることを明らかにした。

口頭

中性子を利用した先端鉄鋼材料の加工誘起相変態挙動の解明

Harjo, S.; 土田 紀之*; 相澤 一也

no journal, , 

鉄鋼材料の強化機構の中で、高強度,高延性、優れた高速変形挙動が期待されるものにTRIP効果がある。TRIP効果は準安定な組織(オーステナイト:A)を有する鉄鋼材料において塑性変形に伴い強度がより高い組織(マルテンサイト:M)に相変態することによって起こる。ところが、TRIP効果にもたらす変形中の加工誘起相変態挙動、すなわち、M相の強度への寄与に関する定量的な研究がほとんどないため、中性子回折法を使って変形中のその場測定を行い解明を試みた。匠は従来の装置に比べて約3倍も分解能が高いため今まで分離が難しかったフェライト母相とM相の回折情報を識別でき、全構成相の相ひずみの観察に成功した。加工誘起相変態で形成されたM相は最も高い応力を負担していることが実証できた。

口頭

大型単位胞結晶をターゲットとしたJ-PARCタンパク質専用中性子回折装置

栗原 和男; 友寄 克亮; 玉田 太郎; 黒木 良太

no journal, , 

膜タンパク質やタンパク質複合体などの立体構造解析に基づくタンパク質間相互作用の解明は、現代の生命科学研究における重要な領域である。この領域においても、中性子結晶構造解析から得られる水素原子や水和水の立体構造情報は、タンパク質の機能解明や高機能化に大きく寄与する。しかし、ここで対象となるタンパク質は高分子量のものが多く、試料結晶の単位胞体積も大きくなり、既存の中性子回折装置では対応できていない。そこで我々は、パルス中性子源を有するJ-PARC(大強度陽子加速器施設)に、大型単位胞結晶(目標値:格子長250${AA}$)をも測定可能にするタンパク質単結晶専用の中性子回折装置の建設を提案し、J-PARC中性子実験装置部会において平成24年9月に2次(最終)審査に合格した。この測定実現には、空間方向に加え時間方向での反射スポットの分離が鍵となる。そこで、カメラ半径を長くし(800mm)、線源には中性子パルス時間幅が短い減速材(非結合型)を選択する。以上を実現するために必要な大面積検出器(300mm$$times$$300mm程度)については、J-PARCセンター・中性子基盤セクションと連携して開発・製作を行う。本装置では、原子力機構・研究用原子炉JRR-3の生物用回折計(BIX-3, 4)に比べて、20倍以上の測定効率が期待される。

口頭

Nd-Fe-B焼結磁石の内部構造の3次元可視化への取り組み

武田 全康; 鈴木 淳市*

no journal, , 

中性子小角散乱法は、試料内部に存在する約1nmから約10$$mu$$mに及ぶ広い空間スケールに渡る構造や構造揺らぎを非破壊的に観測することのできる優れた手法であり、Nd-Fe-B焼結磁石でも保磁力と散乱体の異方性の間に相関があることが小角散乱の実験からわかっている。ところが、得られるのが逆格子空間の中での構造情報であるため、散乱実験になじみのない研究者に対し、実空間での構造情報として、わかりやすい形で結果を呈示する必要性が増している。本講演ではNd-Fe-B焼結磁石の内部構造の可視化の取り組みについて報告する。

口頭

In-situ SEOP型$$^3$$Heスピンフィルターの開発

林田 洋寿; 奥 隆之; 吉良 弘*; 酒井 健二; 猪野 隆*; 篠原 武尚; 大山 研司*; 高田 慎一; 大石 一城*; 武田 全康; et al.

no journal, , 

$$^3$$Heスピンフィルターは、広いエネルギーレンジ(数eV以下)の中性子の偏極が可能、広い立体角のカバーが可能、フィルターによる中性子の散乱が少ないなど、中性子の偏極/検極デバイスとして優れた性能を有する。さらに、Spin Exchange Optical Pumping(SEOP)型$$^3$$Heスピンフィルターでは$$^3$$He核スピン偏極を実行しつつ中性子実験が可能である利点を持つ(In-situ SEOP)。これにより長期間にわたる実験において中性子偏極率の減衰がなく、質の高い中性子実験を可能とする。これまで我々が開発したシステムは$$^3$$He核スピン偏極率が70%以上に到達し、中性子実験へ導入できる性能を有していたが、システムが巨大なために分光器への設置が容易ではなかった。そこで我々はコンパクトなIn-situ SEOPの開発に着手し、実用化に向けた開発を進めている。発表では世界最小In-situ SEOPシステムの開発状況について報告する。さらに本システムを用いた最近の実験成果として、BL10 NOBORUでの磁気イメージング実験、BL15大観での小角散乱実験、BL17写楽での偏極反射率実験の結果について報告する。

口頭

中性子と放射光による過剰ドープLa$$_{2-x}$$Sr$$_{x}$$CuO$$_{4}$$の高エネルギー磁気励起

脇本 秀一; 石井 賢司; 木村 宏之*; 藤田 全基*; 梶本 亮一; 池内 和彦*; Granroth, G.*; Ghiringhelli, G.*; Braicovich, L.*

no journal, , 

過剰ドープLa$$_{2-x}$$Sr$$_{x}$$CuO$$_{4}$$ (LSCO)を用いて中性子と放射光X線を用いて高エネルギー磁気励起の観測を行った。LSCO $$x$$=0.25試料では、中性子とX線で同様な分散関係が観測され、その分散は母物質と同様のものであった。一方、LSCO $$x$$=0.30では中性子で明瞭な磁気励起が観測されないにも関わらず、X線では同様な磁気分散が観測されること、またX線での偏光依存性が母物質とは大きく異なることなどから、X線で観測される励起が単純なマグノン励起ではないことが示唆された。

口頭

パルス中性子単結晶構造解析装置SENJUの校正と精度

鬼柳 亮嗣; 野田 幸男*; 大原 高志; 川崎 卓郎; 及川 健一; 金子 耕士; 田村 格良; 花島 隆泰*; 茂吉 武人*; 中尾 朗子*; et al.

no journal, , 

J-PARC-MLF-BL18に建設されたSENJUは、無機物や低分子化合物単結晶の結晶/磁気構造解析装置である。平成25年度4月に全検出器37台の設置が完了し、それに合わせ全検出器の空間位置等、装置パラメータの精密な決定を行った。決定するパラメータ間には相関があり、1つの手法で一意に決定することができないため、様々な測定によりパラメータの決定を行った。得られたパラメータを用いて計算した格子定数の精度は0.1%程度であり、十分実用に耐えるものである。発表では、パラメータ決定の具体的な手法と現在のSENJUの格子定数精度の詳細を紹介する。

口頭

単結晶中性子回折法による高い中性子吸収を示すEuGa$$_{4}$$の磁気構造解析

川崎 卓郎; 金子 耕士; 阿曽 尚文*; 仲村 愛*; 辺土 正人*; 仲間 隆男*; 大貫 惇睦*; 大原 高志; 鬼柳 亮嗣; 及川 健一; et al.

no journal, , 

物質の磁気的性質を調べる手段として、中性子回折を用いた磁気構造解析は基礎的かつ強力である。パルス中性子回折では短波長の中性子を利用できるためEuやDyのように中性子の吸収が大きな元素を含む物質の構造研究に有効であることが期待される。EuGa$$_{4}$$は豊富な物性を示すことで知られるEuT$$_{2}$$X$$_{2}$$で表される122化合物と呼ばれる一連の物質の母物質であると考えられており、15Kで反強磁性的な相転移を示すことが報告されているが、詳細な磁気構造は明らかになっていない。今回、J-PARC/MLFの単結晶中性子回折装置SENJUを使用して、Euを吸収の小さい同位体に置換していないEuGa$$_{4}$$単結晶の磁気構造解析を試みたので、結果を報告する。

口頭

iMATERIA中性子回折によるバルク集合組織測定技術の開発

徐 平光; 星川 晃範*; 石垣 徹*; 鈴木 徹也*; 秋田 貢一; 森井 幸生*; 林 眞琴*; Lutterotti, L.*

no journal, , 

For most metallic materials, in order to realize good balance among strength, ductility, toughness and formability, it is very important to optimize their microstructures and crystallographic textures as well as their alloy compositions. The time-of-flight neutron diffraction enables to measure various whole diffraction patterns of a textured material simultaneously at different scattering angles using different neutron detectors. In this presentation, the current status and its prospect of bulk texture evaluation technique using iMATERIA time-of-flight neutron diffractometer will be reported, including Omega-axis rotatable sample exchanger for rapid measurements and Omega/Kai 2-axes rotatable goniometer for in situ texture evolution studies. Moreover, the Rietveld texture analysis technique implemented in MAUD (Materials Analysis Using Diffraction) has been employed here to overcome the beam shielding effect of environmental equipment on texture measurement.

口頭

アクチノイド化合物の結晶場励起

目時 直人; 芳賀 芳範; 山本 悦嗣

no journal, , 

ウランの化合物では5$$f$$電子の遍歴性が強い。原子番号が重くなるにしたがって5$$f$$電子は局在的な振る舞いを示し、その臨界領域で重い電子状態や超伝導,量子臨界現象などが報告されている。近年NpPd$$_5$$Al$$_2$$が重い電子超伝導体であることが報告されたが、この物質には同じ結晶構造を持つ希土類やアクチノイド化合物が数多く存在し、局在磁性や非磁性状態、磁気秩序が報告されている。希土類化合物の格子定数は正方格子の格子定数$$a$$及び$$c$$いずれもランタノイド収縮を示すが、アクチノイド化合物の場合はNp化合物を境に$$c$$が原子番号とともに増加に転じる。ウラン化合物の粉末試料について中性子非弾性散乱実験を行ったところ、顕著な結晶場励起ピークが観察され、ウラン金属間化合物としては非常に珍しく、5$$f$$電子が局在的な性格を持つことが明らかとなった。

口頭

シリカ/カーボンブラック微粒子の凝集/分散状態に関する考察

山口 大輔; 湯浅 毅*; 曽根 卓男*; 冨永 哲雄*

no journal, , 

シリカおよびカーボンブラック微粒子は、共にゴムの補強剤として広く用いられている。補強されたゴムの力学特性は、微粒子の凝集/分散状態に強く依存するため、ゴム中での微粒子の状態の評価および制御は、重要な課題と捉えられている。本発表では、微粒子をゴム中に分散させる前の粉末状態とゴム中で分散した状態とを中性子小角散乱により比較し、考察する。平均の一次粒子径(直径)に関して、シリカ微粒子は約16nm、カーボンブラック微粒子は約20nmであることが知られているが、その粒子径から計算した散乱関数は、測定で得られた散乱データの一部を再現するのみであり、一次粒子が単独では存在し得ないことが理解できる。そこで、実験データを再現するように一次凝集体構造を仮定すると、ゴム中の分散状態における一次凝集体は、粉末状態よりも小さいことが分かる。しかし、一次凝集体だけでは、測定の散乱関数を全波数領域で再現することはできず、特に粉末状態では、巨大なバルク構造の存在が示唆される。

口頭

Double Network高分子鎖近傍の水に関する研究

富永 大輝; 高田 慎一; 鈴木 淳市*; 瀬戸 秀紀; 相澤 一也; 新井 正敏

no journal, , 

生命科学を進める上でソフトマターは重要な物質系である。この分野の発展や複雑多相系・多成分系,非平衡系などの研究の進展には、中性子小角散乱法は大変有用だが、さらに高い空間分解能や時間分解能での高効率測定という機能が求められるようになってきている。このような科学的要請および中性子源性能の向上という技術的背景の下、大強度陽子加速器施設(J-PARC)の物質・生命科学実験施設(MLF)でパルス中性子小中角散乱装置「大観」の開発が進められている。白色パルス中性子ビームを利用するパルス中性子小角散乱法は単色定常中性子ビームを利用する定常中性子小角散乱法と比べて広いq領域の同時測定の点で有利とされる。これを活かした広いq領域(約1$$times$$10$$^{-2}$$10A$$^{-1}$$)の同時測定を高効率かつ高精度に実現する「大観」の開発について、ソフトマターに主眼を置いて、高強度ダブルネットワークハイドロゲルの網目に水がどのように吸着していくかを中性子散乱の研究をもとに発表する。

口頭

Combined neutron scattering and weight measurement studies of structural changes in microbial cellulose during drying process

Zhao, Y.

no journal, , 

We studied how the structure of the microbial cellulose (MC) sample changes during the natural drying process, where water evaporated slowly and was replaced by air, by means of combined time-resolved measurement of small-angle neutron scattering (SANS), intermediate angle neutron scattering (IANS) and weight measurement. SANS was used to elucidate the microstructural change in the MC sample upon drying, during the process of which the coherent scattering length density of the amorphous cellulose regions swollen by water varied with the time to give a tunable scattering contrast to the crystalline cellulose regions, thus the contrast variation experiments were automatically performed by drying. In addition, IANS and weight measurement were used to determine the concentration of water and hydrogen atoms. Our results show that (1) the natural drying process does not induce crucial structural changes in the length scale of 10-125 nm, which is quite different from the observation of further crystallization and aggregation of the cellulose chains by rapid drying via vacuum; (2) The natural drying process could be divided into three time-regions: 3-dimensional shrinkage in region I, 1-demensional shrinkage along the thickness of the sample in region II, and completion in region III. (3) "bound water" along cellulose chains was estimated to be 0.35wt% by weight measurement, and verified by the quantitative analysis of the scattering data.

口頭

コントラスト変調SANSのための核スピン偏極装置最適化

能田 洋平

no journal, , 

水素核の核スピン偏極による中性子小角散乱法におけるコントラスト変調法への応用を進めてきた。重水素化の難しいシリカ補強材充填ゴムに対して本手法を適用することで、シリカ補強材の部分散乱関数の決定に成功した。前回の中性子小角散乱実験では水素核スピン偏極度(upスピンとdownスピンの割合の差)は26%止まりであったが、より広く活用されているカーボンブラックを補強剤として含むゴム材料への本手法の応用においては、今まで以上に水素核スピン偏極度を向上させ、散乱コントラストを更に広いレンジで変調する必要がある。このような背景で、電子スピンから水素核スピンへの偏極移動を促しているマイクロ波(94GHz)照射強度の増強を進めている。現在進めている高出力マイクロ波増幅器の導入、マイクロ波伝送経路の最適化について報告する。

口頭

スピネル化合物LiMn$$_2$$O$$_4$$における局所構造歪みとその温度依存性

樹神 克明; 井川 直樹; 社本 真一; 池田 一貴*; 大下 英敏*; 金子 直勝*; 大友 季哉*; 鈴谷 賢太郎; 星川 晃範*; 石垣 徹*

no journal, , 

スピネル構造を持つLiMn$$_2$$O$$_4$$は約260Kで立方晶から斜方晶への構造相転移を示す。高温立方晶ではすべてのMnサイトは結晶学的に等価でその価数は+3.5であるが、低温斜方晶では複数の非等価な+3価と+4価のサイトが存在する。このことからこの構造相転移はMn価電子の電荷秩序に伴うものとみることができるが、電気伝導は高温立方晶においても絶縁体的である。これまで我々は室温での中性子粉末回折データから導出された原子対相関関数を用いて局所構造解析を行い、高温立方晶においても複数の非等価な+3価と+4価のサイトが短距離周期をもって存在すること、すなわち電荷の短距離秩序が存在しそれが絶縁体的な電気伝導の原因であることを明らかにしてきた。今回はこの電荷の短距離秩序による局所構造歪みの温度依存性を調べる目的で、J-PARCに設置されている高強度汎用全散乱装置NOVAおよび茨城県材料構造解析装置iMATEIRAを用いて$$^{7}$$LiMn$$_{2}$$O$$_{4}$$の粉末回折実験を行い、そのデータを原子対相関関数に変換して局所構造解析を行った。その結果、低温斜方晶を含む200Kから450Kの広い温度範囲において局所構造歪みおよびMn-O距離はほとんど温度依存性をもたないことがわかった。

口頭

外部アクセスのためのIROHAアップグレードとMLF実験データベース開発

中谷 健; 稲村 泰弘; 森山 健太郎; 大友 季哉*; 伊藤 崇芳*

no journal, , 

J-PARC物質・生命科学実験施設(MLF)は2008年から中性子利用実験を開始しほぼ5年になる。MLFのデータ集積・制御を司るソフトウェアフレームワーク(IROHA)は各装置間で共通的に使用されることを念頭に開発され、MLF稼働当初から利用されてきた。しかしながら、利用開始から5年が経過し、実際の利用形態を考慮した改良の必要性が生じてきた。また、2年後にはMLFのビームパワーが1MWに増強される予定であり、より一層効率的な実験のニーズが高まると予想される。よって、我々は平成25年度大幅なIROHAのアップグレードを実施することとした。合わせて、1MWの利用実験においては、利用者はこれまで以上に多種多様な測定条件の下で大量の中性子散乱データを取得することが予想される。現在我々はこのようなデータを効率的に管理することができるデータベースシステム(MLF実験データベース)を開発中である。このMLF実験データベースは将来外部アクセスのフロントエンドになることが予定されている。

口頭

中性子準弾性散乱に向けたモデルフリー解析法の開発とその水への応用

菊地 龍弥

no journal, , 

これまでの中性子準弾性散乱の解析法では、先に拡散モデルを仮定する必要があった。この場合、モデルが判明している物質では明確な結果が得られるが、モデル依存性の強いために未知のモードを発見することが困難であるなどの欠点もあった。これらの問題を解決する方法として開発した方法が緩和モード分布解析法である。これは個別にモデルを仮定する必要がないモデルフリーな解析法である。この解析法では、準弾性散乱は指数関数的な緩和の集合であると仮定し、拡散現象全体を緩和時間に対する強度分布で記述する。この強度分布(緩和モード分布関数)を計算することが新しい解析法の直接の目的である。この解析法を実際に水に適用した結果、水には少なくとも3つの緩和モード(遅いモード,中間モード,速いモード)が存在することがわった。中間モードについてはこの解析法で初めて観測されたモードである。それぞれのモードについてその強度と位置(緩和時間)を直接取り出すことが容易であり、それらを解析することによってそれぞれモードの同定を可能にする。

口頭

量子ビームを用いた強磁性超格子薄膜の研究

久保田 正人; 武田 全康; 岡本 淳*; 山崎 裕一*; 中尾 裕則*; 村上 洋一*; 澤 彰仁*

no journal, , 

超格子薄膜(LaMnO$$_{3}$$)m/(SrMnO$$_{3}$$)nでは、積層枚数(m,n)により、強磁性絶縁体相,強磁性金属相,反強磁性絶縁体相といった多彩な相が出現し、しかもm=n=2の超格子薄膜において低温で巨大な磁気抵抗効果を示すことが報告されている。しかし、これらの物性に関するメカニズムの詳細については明らかになっていない。現在、量子ビームを活用して、超格子薄膜(LaMnO$$_{3}$$)m/(SrMnO$$_{3}$$)nの磁性や電子状態に関する研究を進めている。MLFのビームライン17に建設した垂直型偏極中性子反射率計(SHARAKU:写楽)の測定を行うことにより、超格子薄膜の表面・界面付近の磁性が物性に果たす役割を解明する上で有用な磁性情報を捉えることが可能である。また、放射光実験では、元素選択性や偏光特性を利用することにより、マンガンサイトの電子状態や磁性に関する情報を直接捉えることが可能である。本発表ではマンガン酸化物超格子薄膜内での物性を解明するための偏極中性子反射率測定や相補的な放射光実験の現状と今後の研究計画などについて議論する。

口頭

オンビームSEOP型$$^{3}$$He中性子偏極フィルターの開発と応用

奥 隆之; 林田 洋寿; 酒井 健二; 篠原 武尚; 中村 充孝; 相澤 一也; 新井 正敏; 遠藤 康夫; 加倉井 和久; 吉良 弘*; et al.

no journal, , 

パルス中性子散乱実験への応用を目的として、オンビームSEOP型$$^{3}$$He中性子偏極フィルターの開発を行っている。$$^{3}$$He中性子偏極フィルターは、広いエネルギー範囲の中性子に有効である他、発散度の大きなビームの偏極も可能であるなど優れた特徴を持つ。このオンビームSEOP型$$^{3}$$He中性子偏極フィルターをJ-PARC等の大強度パルス中性子散乱施設の中性子分光器に導入するためには、装置を分厚い放射線シールドの中に設置する必要があるため、放射線遮へいの観点からも装置のサイズをコンパクトにすることが重要である。そこで、我々はVolume Holographic Grating(VHG)素子を用いて、SEOP用の小型レーザー光学系を開発した。この小型レーザーを用いてオンビームSEOP型$$^{3}$$He中性子偏極フィルターを組み上げて、現在、偏極パルス中性子を用いた小角散乱実験や反射率実験などへの応用研究を進めている。発表では、我々の$$^{3}$$He中性子偏極フィルターの開発状況や今後の開発計画について紹介する。

口頭

In situ neutron diffraction study of compression behavior in LPSO-type Mg alloys

Gong, W.; 相澤 一也; Harjo, S.; 阿部 淳*; 岩橋 孝明; 神山 崇*

no journal, , 

Recently, a new series of magnesium alloys with the microstructure consist of long-period stacking ordered (LPSO) structure and HCP-Mg phase have been attracted considerable attention due to the excellent mechanical properties. In the present work, LPSO-type alloys were studied by in situ neutron diffraction during compression by using the engineering neutron diffractometer, TAKUMI at J-PARC. A LPSO single phase alloy Mg$$_{85}$$Zn$$_{6}$$Y$$_{9}$$ (at%) and a LPSO and HCP-Mg dual phases alloy Mg$$_{89}$$Zn$$_{4}$$Y$$_{7}$$ were investigated to estimate grain-orientation-dependent stress and phase stress under uniaxial compression. The remarkable plastic anisotropy was found in the LPSO phase. Along compression direction, the a-axis grain families started to yield via kink deformation. In the LPSO and HCP-Mg dual phases alloy. The basal slip of HCP-Mg was generated at a low applied stress before the yielding of LPSO phase. The LPSO phase acts as the strengthening phase during compression deformation in the alloy.

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